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■ジャン・アヌイ Jean Anouilh20世紀フランスを代表する劇作家。1910年、フランス南西部ボルドー生まれ。父は仕立て屋、母はヴァイオリニスト。彼の作品の主人公は概して理想と純粋性を求め、妥協と堕落の世界と戦って命を散らしていく。戯曲の執筆開始は12歳と早く、ドラマ性の高い作品から不条理笑劇まで幅広い作品を発表しつづけた。『荷物のない旅行者』(’37)で興行的にも成功を収めるまでは、映画のシナリオなどで生活を支えた。’44年発表の『アンチゴーヌ』は、ソフォクレスの古典劇にナチ占領下の政権への批判性が結びついて高く評価され、戦後アヌイはヨーロッパで最も成功した劇作家となった。本書『ひばり』(’53)は『アンチゴーヌ』と並ぶアヌイの傑作。’55にはリリアン・ヘルマンの英訳でアメリカで、’57年には日本でも上演された、世界中に知られる名作。1987年、スイスのローザンヌにて没。
■岩切正一郎1959 年生、 国際基督教大学教授。 著書『さなぎとイマーゴ』 室内オペラ台本『オンディーヌ』(曲/笠松泰洋) 訳書『世界文学空間』カザノヴァ、『ノアノア』ゴーギャン、他。本作『ひばり』および『カリギュラ』の戯曲翻訳で、第15回湯浅芳子賞(翻訳・脚色部門) を受賞。
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