単行本

モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な物語(ハリネズミの本箱)

モリー・ムーンは、孤児院で育ったみなしご。ケチで自己中心的で冷酷なアダーストーン院長は、ドジなモリーをなにかにつけしかり、いじめている。今日も、規則を破ってお風呂にお湯を10cm以上入れた罰として、自分の歯ブラシでトイレを掃除しろと言われる始末。それでも、気の弱いモリーはなにも言いかえせない。
 孤児院のほかの子どもたちも、モリーには冷たい。モリーにとって唯一のなぐさめといえば、空想にふけることと、赤ちゃんのころからいっしょに育った、親友の少年ロッキーだけだ。
 ある日、ロッキーと生まれてはじめてけんかし、落ちこんだモリーは、かくれがとしている町の図書館へもぐりこむ。そこで見つけた、不思議な古い本──それは、催眠術についての本だった。モリーは夢中になって読みふける。
 それから数日、モリーは先生やほかの子どもたちの目をぬすんで、本に書いてあった催眠術の訓練法をこころみる。手始めは院長先生のみっともない愛犬、ペチュラ。おっかなびっくりで覚えたての催眠術を使ってみると、いつも不機嫌でほえてばかりいるペチュラが、なんとモリーになついてしまった! 催眠術がきいたのだ!
 自分には催眠術の特別な才能がある。そう気づいたモリーは、自分をいじめてばかりいる先生や子どもたちに、少しずつ催眠術を使っていく。もっと明るく、楽しく、やさしい人間になるように。
 次第に自信を深めていくモリー。しかし、ロッキーと仲なおりをしようと思った矢先、彼が孤児院を去ったことを知らされる。モリーが催眠術の本に没頭しているあいだに、アメリカの富豪が孤児院をおとずれ、ロッキーを養子にすることを決めたのだ。モリーはひどくショックを受ける。
 その後、町の一発芸大会に出場したモリーは、会場の全員に催眠術をかけるというはなれわざを演じ、見事に優勝賞金3000ポンドを手にする。その賞金を手に、モリーはペチュラを連れてアメリカへ旅立つ。自分もアメリカ人の養父母を見つけ、ロッキーをさがそうと考えたのだ。
 ニューヨークに着いたモリーは、またしても催眠術をたくみに使い、とうとうブロードウェイのスターにまでのぼりつめる。だが、そんな彼女をひそかにつけねらう人物がいた。モリーが偶然見つけた本を、長年手に入れようと苦心してきた、ノックマンという悪徳教授だ。有名になったがために彼に見つかってしまったモリーは、催眠術を使って銀行強盗をするよう脅迫される。
 そんなとき、モリーはようやくロッキーと再会する。じつはロッキーも例の本を読んでおり、催眠術を使えるようになっていた。養子になれたのも催眠術のおかげだという。ふたりは協力して、ノックマンの凶悪な計画を阻止しようと動きだした!

 空想好きでたよりない少女が、自分に秘められた力に気づいたことから、勇気と自信を得て、みずからの運命を切り開いていく。その成長ぶりがあざやかにえがかれている。舞台はイギリスからアメリカへと広がっていき、息もつかせぬ波瀾万丈の冒険がくりひろげられる。
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ジョージア・ビング

商品情報

著者
ジョージア・ビング
訳者
三好 一美
刊行日
2002/10/11
種類
単行本
レーベル
ハリネズミの本箱
日本図書分類/Cコード
8097
判型
46判
ページ数
448
重量
560
商品コード
0000150001
ISBN
9784152500014

著者紹介

  • ジョージア・ビング