新卒採用 早川書房

編集という仕事のおもしろさ

書籍編集部
L・Cさん
上智大学
編集という仕事のおもしろさ

仕事の内容

国内・海外の作家の小説編集

翻訳小説の編集を主に担当しながら、国内作家の担当もしています。同じ編集ですが仕事内容が大きく異なります。翻訳小説の編集は、すでに海外で出版された作品について調査し、「日本で出したい!」と思う作品を社内の企画会議でプレゼン、承認されると版権の取得となります。その後、翻訳者に訳出いただき、原書(オリジナルのテキスト)との照合チェックなどを行いつつ、日本版の装幀や売り出し方について考えます。一方、国内の作品の場合、翻訳小説でいう「原書」を作家とともに作り上げていくのが仕事です。どういった設定の物語を書いていくか、作家と話し合い、実際の原稿を読ませていただいたあとに、物語全体の構成や流れを変えるような大きなご提案をすることもあります。このように、翻訳もの、国内もので原稿の向き合い方が異なり、両方を経験できるのはありがたいことだと思っています。

仕事のやりがい

コラボレーションで生まれるもの

編集者の面白いところは、なんといってもプロジェクトのハブとなっているところだと思います。一冊の本は、作者、翻訳者、推薦者、解説者、エージェント、イラストレーター、デザイナー、印刷会社、書店──など各所と連携をとり、それぞれの力が結集されて初めて出来上がります。素敵なイラストラフ、デザインラフが上がってきたとき。「うーん!」と唸ってしまうような痺れる推薦文や解説文をいただいたとき。頭の中にしかなかったアイディアが形になっていく瞬間。コラボレーションによって一つの作品を作り上げる楽しさを感じられるのが、この仕事のやりがいです。

うれしかったエピソード

本が読者に届いている!

無難ですが、やはり自分で企画を通した本が重版するとうれしいですし、関係者、力を貸してくれた方々にうれしい報告ができるという喜びもあります。そして、そういった本がふらっと立ち寄った喫茶の棚に並んでいたり、友人がSNSでアップしていたり、身の回りで読者が広がっている感覚に出会える時も、個人的にとてもうれしいです。本の広がり方は無限大なのだと思わされます。

業務を通じて成長したこと

初めての著者インタビュー

アメリカで『侍女の物語』×『ハンガー・ゲーム』と評され話題となった『グレイス・イヤー』という小説の担当編集をしたときのエピソードです。本の刊行準備期間中、著者のキム・リゲットさんがプライベートで来日し、急遽、私が英語でインタビューをして一つの記事に仕上げることになりました。初めての経験で不安はありましたが、「著者が作品に込めた思いを伝えたい」という熱量のもと記事原稿が出来上がったときの達成感は忘れられません。普段の業務にとどまっているだけでは見つからなかった新たな自分の可能性を発見し、成長を感じられた経験でした。

会社の好きなところ

「わからないこと」を大切にできる

「人の心は簡単には理解できないものだと教えてくれるから、小説を読むんじゃないかな」という編集部の先輩の言葉が、ずっと記憶に残っています。欲しい情報がすぐに探し出せる現代の社会で、いかに小説を届けるかを考えることが編集者の役目ですが、その答えが少しだけ見えたような気がしました。わからないままでもいい、余白の中でしか見つけられない人生の美しさも存在するんだと、そう教えてくれる小説を編集できる立場にあることをとてもうれしく思いますし、読書のよろこびを分かち合える仲間たちと働けることが、この会社の好きなところです。
社員紹介PEOPLE