アルベール・カミュ 1──カリギュラ
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ローマ帝国の若き皇帝カリギュラは、最愛の妹ドリュジラの急死を境に、狂気の暴君へと変貌した。市民の財産相続権の剥奪と無差別処刑に端を発する、数々の非道なるふるまい。それは、世界の根源的不条理に対する彼の孤独な闘いだった……『異邦人』『シーシュポスの神話』とともにカミュ〈不条理三部作〉をなす傑作、新訳で復活。
■アルベール・カミュ Albert Camus
1913年、アルジェリア生まれ。アルジェの労働者街ベルクールで幼少期を過ごす。アルジェ大学卒業後、様々な職を転々としたのちにパリで新聞記者となるが、ドイツ軍のフランス侵攻により離職、地下出版《コンバ》紙の編集など、レジスタンス活動に携わる。42年に発表した『異邦人』が大反響を呼び、戦後『ペスト』(1947)によって作家としての地位を確立。小説・戯曲・評論を通じて人間の根源的不条理を追究し、本作『カリギュラ』(1945年初演、ジェラール・フィリップ主演)は、『異邦人』および『シーシュポスの神話』(1942)とともに、カミュ自身によって〈不条理三部作〉と位置づけられた。演劇活動にもきわめて熱心で、劇作家・演出家・脚色家・俳優として活躍。他の戯曲に『誤解』(1944年初演)『戒厳令』(1948年初演)『正義の人びと』(1949年初演)などがあり、ドストエフスキーやフォークナーなどの作品の脚色も手がけた。57年ノーベル文学賞受賞。60年1月4日、自動車事故で急逝。
■岩切正一郎
1959 年生, 国際基督教大学教授 著書『さなぎとイマーゴ ボードレールの詩学』, 訳書『ノアノア』ゴーギャン,『世界文学空間』カザノヴァ,『サタンが稲妻のように落ちるのが見える』ジラール,他 『ひばり』アヌイ(ハヤカワ演劇文庫)および本作で第15回湯浅芳子賞(翻訳・脚色部門)受賞
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