量子の海、ディラックの深淵──天才物理学者の華々しき業績と寡黙
商品詳細
反物質の存在を予言したディラック方程式をはじめ、ディラックの海、ディラックのデルタ関数などで著名なポール・ディラックは、1933年にノーベル物理学賞を受賞した周知の天才物理学者だが、そのパーソナルな側面はほとんど知られていなかった。本書はその現代物理の発展と表裏一体になされた、目の覚めるような業績をわかりやすく解説すると同時に、人間ディラックの知られざる側面を、豊富な文献に取材しながらリーダブルなスタイルで紹介する、サイエンスファン待望の1冊である。無口に関する単位が彼にちなんでつくられたほどの、寡黙で人嫌いと思われた科学者は、ソ連当局に逮捕された友人のロシア人科学者のために東奔西走するロマンティックな一面や、父親との確執を長く引きずる暗い一面などを持つ一人の人間だった。誰もが初めて知る天才の素顔を、愛惜するように、余すところなく紹介する科学者伝の白眉。(2009年度コスタ賞受賞)
0000119225
この商品についてのレビュー